影響線の書き方がわかりません。なんで単位荷重が移動するん?
移動するのにどうやって求めるの?
構造力学の影響線の書き方を解説します。影響線の書き方は以下の3ステップ
単純だけど難しいので、1つずつ解説していきますね。
明石高専の土木出身の僕が解説します。
目次
構造力学の影響線の書き方を解説
影響線とは、『単位集中荷重を移動させたときのある点の断面力』です。
と言っても難しいので例題を解きながら理解していきましょう。冒頭にも書きましたが、影響線の解き方は以下の3ステップ
以下の図で解説します。
この時、単位集中荷重(P)が支点Aから\(x\)移動すると考えます。
影響線の書き方①支点反力を求める
支点反力を求めましょう。
荷重が書いてないのに、どうやって支点反力を求めるの?
影響線の場合は、『仮にここに荷重があった場合』と考えます。
いっぱい考えても大変なので、基本的には以下の場所で考えてみましょう。
この例題の場合だと、支点A、支点B、点Cの3箇所で考えてみましょう。
支点Aの反力の影響線
単位集中荷重Pが支点A、支点B、点Cにいる時の支点Aの反力\(V_{A}\)を考えてみましょう。
単位集中荷重が点Cに移動したときは、支点Bを基準にモーメントを使って解きましょう。
\( V_{A} \times \ell = P \times (\ell$ - a)\)
この時\(P=1\)なので、\( V_{A}= 1- \dfrac{a}{\ell} \)
では、\(aがxの時\)だったら、\( V_{A}= 1- \dfrac{x}{\ell} \)です。図に書くとこんな感じ。
支点Bの反力の影響線
同じように考えます。
支点Aを基準にモーメントを考えます。
\( V_{B} \times \ell = P \times a\)
この時\(P=1\)なので、\( V_{B}=\dfrac{a}{\ell} \)
では、\(aがxの時\)だったら、\( V_{B}= \dfrac{x}{\ell} \)です。図に書くとこんな感じ。
影響線の書き方②せん断力の影響線の書き方
この図で点Cのせん断力の影響線を考えます。
この時のせん断力の影響線は以下の2つを考えます。
単位集中荷重が点Aから点Cにあるとき
この時のつり合い式も、\( V_{A} = P + Q \)
\(V_{A} = 1-\dfrac{x}{\ell}\)なので、
\(1-\dfrac{x}{\ell} = P+Q\)、\(P=1\)なので、
\(Q = -\dfrac{x}{\ell}\)
単位集中荷重が点Cから支点Bにあるとき
この場合、以下の図のようになります。
点Cより左側だけでつり合い式を考えると、\( V_{A} =Q\)
この場合、\(V_{A}= 1 - \dfrac{x}{\ell}\)なので、
\(1 - \dfrac{x}{\ell} = Q\)
つまり、点Cを基準に以下のような式になります。
つまり、点Cのせん断力の影響線は以下になります。
影響線の書き方③曲げモーメントの影響線の書き方
せん断力と一緒です。以下の2つの場合を考えます。
単位集中荷重が点Aから点Cにあるとき
単位集中荷重が支点Aから点Cにあるときは、右側で考えましょう。
つり合い式は\( M = V_{B} \times b \)
\( V_{B} = \dfrac{x}{\ell} \)なので、
\( M = \dfrac{x}{\ell} b \)
単位集中荷重が点Cから支点Bにあるとき
今度は、部材の左側で考えましょう。
つり合い式は\( M = V_{A} \times a \)
\( V_{A} = 1 - \dfrac{x}{\ell} \)なので、
\( M = (1- \dfrac{x}{\ell})a \)
影響線を書くとこうなります。
これで、影響線が完成しました。
まとめ:断面力の影響線の書き方
影響線の書き方は以下の通り
構造力学は問題を解いて覚えよう
構造力学は問題を解いて理解していきましょう。
構造力学にオススメの参考書は以下でまとめています。