断面力の影響線の書き方がわかる【具体的な書き方を解説】

断面力の影響線の書き方がわかる【具体的な書き方を解説】

2020年4月6日

*当サイトではアフィリエイト広告を利用しています。

影響線の書き方がわかりません。なんで単位荷重が移動するん?
移動するのにどうやって求めるの?

構造力学の影響線の書き方を解説します。影響線の書き方は以下の3ステップ

  • 支点反力を求める
  • 支点反力から断面力を求める
  • 求めた断面力を図に書く

単純だけど難しいので、1つずつ解説していきますね。

明石高専の土木出身の僕が解説します。

構造力学の影響線の書き方を解説

構造力学の影響線の書き方がわかる
構造力学の影響線の書き方がわかる

影響線とは、『単位集中荷重を移動させたときのある点の断面力』です。

と言っても難しいので例題を解きながら理解していきましょう。冒頭にも書きましたが、影響線の解き方は以下の3ステップ

  • 支点反力を求める
  • 支点反力から断面力を求める
  • 求めた断面力を図に書く

以下の図で解説します。

この時、単位集中荷重(P)が支点Aから\(x\)移動すると考えます。

影響線の書き方①支点反力を求める

支点反力を求めましょう。

荷重が書いてないのに、どうやって支点反力を求めるの?

とたん
とたん

影響線の場合は、『仮にここに荷重があった場合』と考えます。

いっぱい考えても大変なので、基本的には以下の場所で考えてみましょう。

  • 支点反力の位置
  • 長さのわかっている点

この例題の場合だと、支点A、支点B、点Cの3箇所で考えてみましょう。

支点Aの反力の影響線

単位集中荷重Pが支点A、支点B、点Cにいる時の支点Aの反力\(V_{A}\)を考えてみましょう。

  • 支点Aにいる時:P(\(V_{A}=P\))
  • 支点Bにいる時:0
  • 点Cにいる時:?

単位集中荷重が点Cに移動したときは、支点Bを基準にモーメントを使って解きましょう。

\( V_{A} \times \ell = P \times (\ell$ - a)\)

この時\(P=1\)なので、\( V_{A}= 1- \dfrac{a}{\ell} \)

では、\(aがxの時\)だったら、\( V_{A}= 1- \dfrac{x}{\ell} \)です。図に書くとこんな感じ。

支点Bの反力の影響線

同じように考えます。

  • 支点Aにいる時:0
  • 支点Bにいる時:(\(V_{B}=P\))
  • 点Cにいる時:?

支点Aを基準にモーメントを考えます。

\( V_{B} \times \ell = P \times a\)

この時\(P=1\)なので、\( V_{B}=\dfrac{a}{\ell} \)

では、\(aがxの時\)だったら、\( V_{B}= \dfrac{x}{\ell} \)です。図に書くとこんな感じ。

影響線の書き方②せん断力の影響線の書き方

この図で点Cのせん断力の影響線を考えます。

この時のせん断力の影響線は以下の2つを考えます。

  • 単位集中荷重が支点A~点Cにあるとき
  • 単位集中荷重が点C~支点Bにあるとき

単位集中荷重が点Aから点Cにあるとき

この時のつり合い式も、\( V_{A} = P + Q \)

\(V_{A} = 1-\dfrac{x}{\ell}\)なので、

\(1-\dfrac{x}{\ell} = P+Q\)、\(P=1\)なので、

\(Q = -\dfrac{x}{\ell}\)

単位集中荷重が点Cから支点Bにあるとき

この場合、以下の図のようになります。

点Cより左側だけでつり合い式を考えると、\( V_{A} =Q\)

この場合、\(V_{A}= 1 - \dfrac{x}{\ell}\)なので、

\(1 - \dfrac{x}{\ell} = Q\)

つまり、点Cを基準に以下のような式になります。

  • 点Cより左側(0<x<a):\( -dfrac{x}{\ell}\)
  • 点Cより右側(a<x<\(\ell\)):\( 1-dfrac{x}{\ell}\)

つまり、点Cのせん断力の影響線は以下になります。

影響線の書き方③曲げモーメントの影響線の書き方

せん断力と一緒です。以下の2つの場合を考えます。

  • 単位集中荷重が支点A~点Cにあるとき
  • 単位集中荷重が点C~支点Bにあるとき

単位集中荷重が点Aから点Cにあるとき

単位集中荷重が支点Aから点Cにあるときは、右側で考えましょう。

つり合い式は\( M = V_{B} \times b \)

\( V_{B} = \dfrac{x}{\ell} \)なので、

\( M = \dfrac{x}{\ell} b \)

単位集中荷重が点Cから支点Bにあるとき

今度は、部材の左側で考えましょう。

つり合い式は\( M = V_{A} \times a \)

\( V_{A} = 1 - \dfrac{x}{\ell} \)なので、

\( M = (1- \dfrac{x}{\ell})a \)

影響線を書くとこうなります。

これで、影響線が完成しました。

まとめ:断面力の影響線の書き方

構造力学の影響線の書き方がわかる
構造力学の影響線の書き方がわかる

影響線の書き方は以下の通り

  • 仮想の単位集中荷重を左から右に移動させる
  • その時の支点反力を求める
  • 支点反力から断面力を求める

構造力学は問題を解いて覚えよう

構造力学は問題を解いて理解していきましょう。

構造力学にオススメの参考書は以下でまとめています。

構造力学の勉強にオススメのわかりやすい参考書5選
構造力学の勉強に使える本が知りたいです。いっぱいあるのでどれを選んだらいいかわかりません。 構造力学の勉強に使える参考書まとめました。 直感で理解する! 構造力…
www.betterkiso.com