高専(高等専門学校)は、中学卒業後(15歳)から進学できる学校です。
高専では、普通の高校に比べて、より専門的で実践的な教育を受けることができ、将来の進路も豊富にあります。
高専の特徴:
この記事を書く僕も明石高専の都市システム工学科を卒業しています。
今回は、高専受験を考え始めたお子さんを持つ保護者の方々に向けて、高専の魅力やメリット、受験に必要な情報をわかりやすくご紹介します。
目次
高専とは?

高専(正式名称:工業高等専門学校)とは、以下のような学校です。
高等専門学校は実践的・創造的技術者を養成することを目的とした高等教育機関です。
全国に国公私立合わせて58校あり、全体で約6万人の学生が学んでいます。
引用元:高等専門学校(高専)について:文部科学省
と言われてもわかりにくいですよね。簡単にまとめます。
高専とは:
イメージは高校と大学を合体させたような学校です。
高専の特徴
高専には以下のような特徴があります。
高専は何年通う?
高専は、中学卒業後から5年間通います。
5年間の中で、普通高校で学ぶような一般科目と、大学で学ぶような専門科目をバランスよく学びます。
卒業すれば、『準学士』という短大卒相当の学位が取得できます。
高専で何を学ぶ?
高専は基本的に工学を学ぶ学校です。
座学だけでなく、実験・実習が多いのが特徴です。
実際に私も、授業と実習を交互に繰り返しながら勉強しました。授業だけを受けるよりも実践的で理解しやすかったです。
高専の進路について
高専卒業後の進路は、就職、専攻科へ進学、大学3年生へ編入学の3つ。
就職の場合はほぼ100%の就職率。さらに、求人倍率は平均して20倍を超えています。
進学も、専攻科(高専内の大学院のような学校)や、国立大学の3年生への進学が可能です。
高専の偏差値はどれくらい?
高専により異なりますが、最も高いのが明石高専(偏差値:69)です。
ランキングはこちらのサイトが参考になりますが、偏差値が高いからといって受験を諦める必要はありません。
高専の学費
高専の学費についてまとめます。
入学金 | 84,600円(入学時) |
授業料 | 年額234,600円 |
学校災害共済掛金保護者負担金 | 年額1,520円 |
寄宿料(寮生活する場合のみ) | 月額800円(1人部屋) |
(その他、教科書代や研修旅行の積立金などがかかります。)
詳しくは、国立高等専門学校機構の『高専の学費って?』が参考になります。
授業料の免除や奨学金の制度
高専では、以下のような就学支援金制度や給付型の奨学金の制度もあります。
経済的な理由で高専への進学を悩んでいるなら、まずは、以下の国立高等専門学校機構の学生支援のページをみてください。
また、受験を検討している高専へ問い合わせることもおすすめです。
高専と高校・大学・専門学校との違い

高専と、高校・大学・専門学校の違いをまとめています。
項目 | 高専 | 高校 | 大学 | 専門学校 |
---|---|---|---|---|
通う年数 | 5年(専攻科含めて7年) | 3年 | 4年 | 1〜3年 |
学位・資格 | 准学士(専攻科修了で学士) | 高卒資格 | 学士 | 専門士・高度専門士 |
学習内容 | 専門科目が多く、実習が豊富 | 一般科目中心 | 幅広い学問 | 実践的な内容 |
就職率 | 高い(企業・公務員・技術職) | 普通 | 普通(企業・公務員・研究職) | 業界特化型の就職 |
進学のしやすさ | 大学編入がしやすい | 成績による | 大学院進学が可能 | 一部、大学編入あり |
授業のスタイル | 実験・実習が多く、即戦力になるための授業 | 座学中心 | 研究・理論が中心 | 実践的なカリキュラム |
学費(目安) | 年約23万円(国公立) | 無償(公立) | 国立約50万円、私立100万円以上 | 学校による(数十万〜百万円) |
詳しく見てみましょう。
高専と高校の違い
高専と高校の主な違いは以下の6つです。
違い | 高専 | 高校 |
---|---|---|
年数 | 5年間 | 3年間 |
教育機関の分類 | 高等教育機関 | 中等教育期間 |
卒業後の学歴 | 短大と同等(準学士) | 高卒 |
学ぶこと | 一般科目+専門的な科目 | 一般科目 |
授業のスタイル | 座学+実験・実習 | 基本的に座学 |
大学への進学方法 | 編入学試験 | 共通テストなど |
高専と工業高校の違い
高専と工業高校は似ているようで、大きく違います。
違い | 高専 | 工業高校 |
---|---|---|
進路選択 | 大学進学、就職を選べる | 基本的に就職 |
就職先 | 技術職、研究職など | 技能職 |
学習内容 | 専門的な分野 | 現場に近い技能 |
高専と工業高校、どちらに進学すべき?
高専と工業高校どちらに進学すべきか?と悩んでいるなら、以下の点を参考にしてみてください
直近では、高専卒も大卒相当の給与や待遇で募集されていることがあります。
高専卒業者・修了者に対する企業の評価は高く、年間を通して多くの求人が寄せられます。
また給与面でも、新卒採用時からその評価を反映している企業もあります。
SMBC日興証券株式会社は、2025年4月入社から高専(本科)卒業生の新卒採用を開始し、給与や配属先などの待遇を大学卒と同条件としています。また、さくらインターネット株式会社では、高専(本科)・大学等卒業生の初任給を同額としています。
https://www.kosen-k.go.jp/wp/wp-content/uploads/2024/07/kosengaiyo2024.pdf#page=18
ですので、悩んでいるならとりあえず高専を受験することをおすすめします。
高専と大学の違い
高専と大学の違いは、以下の通りです。
どちらも専門的な教育をする学校ですが、高専の方が年間の授業料も安く就職も安定しています。
項目 | 高専(5年間) | 大学(4年間) |
---|---|---|
入学時期 | 中学卒業後(15歳) | 高校卒業後(18歳) |
学習期間 | 5年間 | 4年間 |
学習内容 | 実践的な専門教育 | 一般教養+専門科目 |
学費 | 約20万円/年 | 50万円〜100万円(大学による) |
就職率 | 高い(求人倍率20倍以上) | 学部や専攻による |
進路 | 就職or大学編入(3年生へ) | 就職or大学院進学 |
高専から大学へ編入することが可能
高専から大学3年生に編入することが可能です。
その際、大学ごとに受験できるので、(日程さえ被らなければ)何校でも大学受験ができます。
そのため、高校から共通テストを受験して大学に行くよりも、高専から大学編入する方が有利だと言えます。
高専からは就職、大学編入のどちらもできる
就職なら求人倍率が20倍以上、大学への進学は編入学試験で有利に進学できます。
まずは、高専に進学してから進路を決めるといった柔軟な考え方もできます。
なので、大学進学を目指している人も高専進学がおすすめです。
高専と専門学校の違い
高専と専門学校はどちらも専門的な知識と技術を学ぶ学校ですが、進路が大きく異なります。
項目 | 高専(5年間) | 専門学校(2〜3年間) |
---|---|---|
入学時期 | 中学卒業後(15歳) | 高校卒業後(18歳) |
学習期間 | 5年間 | 2〜3年間(専門士・高度専門士) |
学習内容 | 基礎から応用まで体系的に学ぶ | 実践的な技術習得が中心 |
学費 | 約20万円/年 | 約100万円/年(私立が多い) |
進路 | 就職 / 大学編入 / 研究職 | 就職が中心(進学は難しい) |
就職率 | 高い(求人倍率20倍以上) | 業界次第(企業とのコネクション重視) |
学位・資格 | 「準学士」取得 → 大学編入で「学士」取得可能 | 「専門士」「高度専門士」のみ |
高専と専門学校は学歴・学位が異なる
高専は卒業後に「準学士」の学位を取得でき、大学3年次に編入も可能です。
一方、専門学校は「専門士」または「高度専門士」しか取得できません。
そのため、学歴を重視する大手企業や公務員試験では高専卒の方が有利です。
高専に進学するメリット・デメリット

高専に進学するメリットとデメリットを解説します。
高専に進学するメリット
高専に進学するメリットは以下の5つ
高専からの就職は有利
なぜなら、高専から就職する場合、学校推薦がほとんどです。
また、毎年、一定数の高専生の採用枠を用意している企業もあります。
毎年50人前後の高専生を採用するダイキン(57人、5位)は高専生向けにパンフレットなど充実した採用資料を用意している。業務内容はもちろん入社後の研修やキャリア形成、寮生活に至るまで、高専出身者のコメントとともに盛り込む。入社後の姿を詳細にイメージさせる狙いだ。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO36700480Z11C18A0X11000/
なので、高専の中での順位が低くても、大企業へ就職しやすいのがメリットです。
自主性を尊重する教育環境
一般的に”高専は校則が緩い”と言われています。
私自身も、明石高専在学中は制服もないし、授業以外の時間はほとんど自由でした。
同級生も、髪を染めたり、ピアスしたり・・・。自由な学校でした。
また、授業時間外でも必要に応じてパソコンが使用できたり、研究施設を利用することができます。
このように高専は自主性を尊重する教育環境で将来性があります。
高専に進学するデメリット
一方で高専に進学するデメリットもあります。
高専に入学して以降は、他の分野に進みづらいデメリットがあります。
高専って留年が多いって本当?
高専は、高校に比べて留年率が高いことは事実です。
また、留年は、高専全体で2,079人(全学生の3.7%)。理由としては、単位不足(1,660人)、病気療養等(168 人)・留学(100人)のための休学などであった。
資料3_高等専門学校における教育改善状況等に関する調査結果について(設問AからE)(概要):文部科学省
これは、普通高校の留年率(0.2%くらい)の10倍ほどあります。
しかしながら、以下の点に留意していれば大丈夫です。
当たり前のことをしっかりやっていれば、留年することはありません。
高専卒業後の進路

高専卒業後の進路は大きく3つです。
どの進路にも強いのが高専です。
高専は就職に強い
高専から就職する場合、以下の特徴があります。
企業側から積極的に採用活動してくれるので、高専生は就職活動も有利に進めることができます。

私が就活する際も、進路指導室には求人票がたくさん入ってました。積み上げると3センチくらいあったと思います。
就職率もほぼ100%ですし、求人倍率も20倍以上もあるので高専は就職に強いと言えます。
高専は進学もできる
高専から進学する場合、以下の2つがあります。
大学3年生へ編入学
高専から大学3年生へ編入学できます。
このように高専は大学への編入も有利です。
専攻科へ進学
専攻科とは、5年間の高専教育(本科)を卒業したあとに、さらに2年間、より高度な技術教育を行うことを目的としたコースです 。
大学に編入学するよりも、高専に残りながら大卒と同じ学歴(学士)を取得できるので、専攻科進学もオススメです。
高専はどんな人に向いている?

高専に向いているかどうかは、各高専のアドミッションポリシーでわかります。
アドミッションポリシーとは、どのように入学者を受け入れるかを定める方針です。
例えば、明石高専なら次のようなアドミッションポリシーです。
https://www.akashi.ac.jp/civil/policy.html
- 技術者として活躍したいと強く希望を持っている人
- 総合的な基礎学力を持ち、理数系科目および英語が得意な人
- さまざまな実験や実習に周囲と協働して取り組める人
これらの要素が高専に向いているかどうかの判断材料です。
ですが、抽象的ですよね。もう少し深掘りします。
向いている人
高専に向いているのは以下のような人です。
こういった人は高専に向いています。
特に、自分の手を動かしてやってみたいと思うなら高専に向いています。
向いていない人
高専に向いていない人は以下の人です。
理系科目が苦手、実験や実習が得意でない人は向いていません。
特に、高専から大学へ進学しやすいからと高専を踏み台にしようと考えているなら高専に向いていません。
なぜなら5年間も高専に通うことが苦痛になるはず・・・。
こういった人は高専に向いていません。
高専に関するQ&A

高専に関するよくある質問をまとめています。
高専の入試は難しい?
高専入試は難しいと言われています。
ですが、合格に向けて必要なポイントは以下の3つ。
この3つを意識して高専の受験勉強をすれば合格できると思います。
高専の偏差値は当てにならない
高専の偏差値から高専入試の難易度を判断してはいけません。
なぜなら、高専入試の難易度は倍率を見るべきだからです。
例えば、こちらのサイトでは各高専の偏差値ランキングが出されています。
ですが、明石高専の令和6年度の入試状況を見れば、以下のようになっています。
学科名 | 募集人数 | 志願者 (うち、推薦) | 合格者 (うち、推薦) | 倍率 (志願者/募集人数) | 偏差値 (参考値) |
---|---|---|---|---|---|
機械工学科 | 40 | 34(30) | 41(20) | 0.9 | 68 |
電気情報工学科 | 40 | 91(69) | 41(21) | 2.3 | 68 |
都市システム工学科 | 40 | 31(26) | 42(18) | 0.8 | 67 |
建築学科 | 40 | 54(49) | 41(24) | 1.4 | 67 |
合計 | 160 | 210(174) | 165(80) | 1.3 | – |
*合格者には第2志望、第3志望も含む
このように、上記サイトでは偏差値が67〜68ととても高いですが、倍率で言えば定員割れしている学科もあります。
ですので、偏差値が高いからといって受験を諦める必要はありません。
高専卒業後の進路は?
高専卒業後は、就職、専攻科進学、大学編入の3つがあります。
就職先や大学の進学先には国立高等専門学校機構の資料がわかりやすいと思います。
高専の女子学生の割合は?
高専の女子学生の割合は平均して2割ほどです。
しかしながら、学科により大きく異なります。
例えば、明石高専の建築学科なら、男子:女子=16:25(令和6年度)など、女子学生が多い学科もあります。
僕が明石高専の都市システム工学科にいたときは、男:女=3:1くらいでした。
直近では、女子学生の割合も増加しています。
高専女子については、国立高等専門学校機構で高専女子プロフィール帳という特設サイトが公開されていますので、ぜひ参考にしてください。

まとめ:高専とは?

高専についてまとめます。
高専の特徴:
つまり、高専とはコストパフォーマンスに優れた実用的な学校ということです。
高専に合格するには?
高専に合格するためには、次の3つが重要です。
高専に合格するためには正しい受験勉強の仕方を覚える必要があります。
高専入試の対策を始める前に
高専入試は情報が少ないので何から始めればいいか不安がありますよね。
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