力がつり合っているとは以下の状態を言います。
と言っても、わかりにくいですよね。
簡単にいうと力を矢印で書いた時に、それぞれに逆向きで同じ大きさの力があればつり合っていると言えます。
この記事では、構造力学の基礎である力のつり合いについて、わかりやすく解説します。
目次
縦と横に分けて計算して0になるのがつり合い
構造力学で力のつり合いは、以下のために使います。
つり合っているから、物体は動かない。だから、支点反力の位置や大きさが求められます。
『力のつり合い』を『力』と『つり合い』に分けてもう少し詳しく考えていきましょう。
力とは
力を考えるためには以下の2つが大切です。
構造力学で力を書くときは、矢印の大きさと向きで示します。
力は足し算と引き算、分解ができる
力は合成と分解ができます。
基本的に縦と横に分解して考えます。
つり合いとは
力のつり合いとは、動かないことです。動かないとは以下のこと
簡単な例:椅子に座ったとき
例えば、あなたが椅子に座ったときには、次の2つの力が働きます。
椅子は座っている人を完璧に支えているから座れます。
下向きの重力を椅子が上向きに支えているから動かない。(=力がつり合っている)
力のつり合いの問題の解き方
力のつり合いを解くには、次の3つのことが必要です。
1つずつ考えてみましょう。
力を絵で描く
問題に出てくる図に力を絵で描いてみましょう。
例えば、重力は物体の中心から下向きの矢印を書く、ヒモで物を引っ張るときには引っ張る方向に書くなどです。
犬が散歩を嫌がっているときは、6個の力がつり合っていると言うことです。
力を縦と横に分解する
力は分解することができます。計算しやすいように、力を縦(鉛直方向)と横(水平方向)に分解します。
上の図では、犬を引っ張る力と散歩を嫌がる力を縦と横に分解できます。
力を縦と横に分解することで、力がたくさんあってもどの向きに働いても簡単に解くことができます。
具体的には、三角関数(sin・cos・tan)を使って分解します。
三角関数が苦手だよって、いう人のために力学で使う数学をまとめています。詳しくは『力学で使う数学の基本【三角関数と微分・積分の公式まとめ】』で解説しています。
縦の合計が0、横の合計も0になる
縦と横、それぞれの力の合計が0になると力がつり合っていると言えます。
散歩を嫌がる犬の例では、縦方向と横方向それぞれの力の合計がゼロになっています。
縦の力が0になる
横の力が0になる
このように、同じ大きさで反対向きの力があるので、散歩を嫌がる犬は動きません。
力のつり合いまとめ:縦と横に分けて計算して0になるのがつり合い
力のつり合いを解くためには次の3つが大切です。
力のつり合いがわかれば、支点反力を求めるのも怖くないですね。
支点反力の求め方は『支点反力の求め方をわかりやすく解説します【縦と横に分解しましょう】』で解説していますので、ぜひ参考にしてください。